カフェの事業計画書の書き方!金融機関から融資を受けるために抑えるべきポイント

 カフェを開業する際、完全に自己資金で開業しようと思う方は少ないでしょう。

 

現実問題として、カフェの開業はどんなに低コストに抑えたとしても200万ぐらい、そこそこのカフェをきちんと作ろうと思えば500万ぐらいは欲しいところ。それだけの金額を自分1人で用意するのは、簡単なことではありません。

 

そこで多くの人は家族にお金を借ります。それで足りればいいのですが、やはりそれでも足りません。では、どうするか。

 

こうなると、日本政策金融公庫(俗に言う公庫)や銀行から借りるのが一般的です。とはいえ、彼らも無計画に「カフェを開業したいからお金を貸して!」と言えば、お金を貸してくれるわけではなく、きちんと事業計画書を書いて提出する必要があります。

 

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そこで今回は、事業計画書に求められる内容や、特に初めてだと分かり辛いポイントについて簡単にかいつまんで解説したいと思います。

 

事業計画書の一般的なフォーマット

「事業計画書の書き方なんて分からないよ!」と思われるかもしれませんが、だいたいフォーマットは最初から揃っているので、別に自分で一から記入する必要はありません。公庫なら公式サイトに「創業計画書」という名前でPDFがありますし、銀行なら相談すればきちんと書類もくれるでしょう。

 

問題なのは、その中身です。

 

まず、事業計画書の中身として聞かれることの多い項目をリストアップしてみました。

 

  • 設立年月日
  • 資本金額
  • 従業員数
  • 事業開始の動機
  • 経営理念
  • 事業の概要(事業名とその内容)
  • 市場環境と商品・サービスの特徴※ターゲットや競合状況、他店との違い
  • 販売価格
  • 販売方法
  • 生産方法や仕入れ方法
  • 事業上のリスク
  • 人員計画
  • 事業スケジュール
  • 協力者の有無

 

銀行などに実際提出を求められる事業計画書としてはこんなところでしょうか。断言してもいいですが、仮にこれらを完璧に説明できる事業計画書が書ければ、他の審査面で悪いところがない限り、だいたいの場合は融資がおりると思います(満額ではないかもしれませんけどね)。

 

つまり、これだけの内容をきちんと整理して他人に伝えられて、初めてあなたの事業計画は「計画として成り立っている」という説得力を持つのです。

 

それでは、たいていのところは自分一人でなんとかなると思いますが、ちょっとつまずきやすいポイントを整理してみることにしましょう。

 

事業開始の動機とは?

事業開始の動機と言われて、「私は小さいころからカフェに憧れていて、脱サラを期にカフェを始めたいと思いました」なんて動機を書こうと思った人はさすがにいないでしょう。

 

……と言いたいところですが、過去に「〇〇のコーヒーを広めたいと思ったから」とか「以前からリゾート地でカフェを開きたいと思っていたから」と書いた人もいるので、あながち笑い話でもありません。

 

ただ、ここで言う動機はもちろん「こういうお店をやりたいから」で良いのですが、それがきちんと融資する側にとってのメリットになっている必要があります。事業計画書は他人を説得できるものでなければいけません。

 

たとえば、「アメリカで流行っている〇〇の手法を取り入れることによって、日本に新たな流行を生み出したい。この手法はまだ日本では主流ではないので話題性もあり、集客にも貢献するはず」といった形です。

 

これはまだざっくりとしていますが、その手法がなんで日本で流行ると思ったのか、その手法は特にどのような層にウケやすいのかといったターゲットまで明確になっていると、動機としては十分ではないでしょうか。

 

他にも、公庫の公式サイトの例文では「現勤務先の仕入業者から、多品種の酒を安く仕入できることになり、事業の見通しが立ったため」なんて動機例も書かれていましたね。

 

自分の日記に書くならどんな動機でも構いませんが、計画書である以上、動機は"結果"につながるものでなければいけません。

 

販売商品と販売方法

飲食未経験の方だと、特につまずきやすいのがココでしょう。

 

何をどのぐらい、いくらで販売して、それをどのようにして集客するのかという点ですね。未経験だと、そもそも売り上げ目標が立たないというのが現実だと思います。

 

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※公庫の西洋居酒屋の創業計画書例より

 

ただ、これもある程度の計算の目安みたいなものはあって、借りに、回転率を平日は席数の60%、土日は席数の80%で計算して、生活費を差っ引いたうえで、さらに利益が余るぐらいの売り上げ目標を立てれば、まず審査に落ちることはないと思います。

 

小料理屋や居酒屋ならこの回転率でも十分経営していけるかもしれません。ただ、カフェの場合、この回転率で営業していくことはかなり厳しいと言っていいでしょう。1つ実例を出してみます。

 

仮に、席数が20席のカフェをあなたが作りたいと考えています。その回転率60%と言えば12席、80%と言えば16席です。そして、ランチの客単価は980円、カフェタイムの客単価は650円です。

 

平日

ランチ 11760円

カフェ 7800円で

1日の売り上げ19,560円

土・休日

ランチ 15680円

カフェ 10400円

1日の売り上げ26,080円

 

平日に週1日休むと想定して、月商は560,720円です。そして必要な経費が以下の通り。

 

経費一覧

原価(25%) 140,180円

家賃      100,000円

水道光熱費   30,000円

備品代   20,000円

利子    20,000円

広告宣伝費 10,000円

 

残額は240,540円。「おお!まだ物足りない額だけど、これなら一応1人暮らしはして行けるじゃん!」そう思いましたか?

 

一度でも事業計画をしたことのある人はお分かりかと思いますが、この計算ならまず審査は通りません。たとえば20席のお店をフードもドリンクも出しながら1人で回すのはまず無理です。

 

もしも、ここに疑問を持たなかった方は、20席ぐらいのお店に行ってみて、何人のお客さんに対して何人のスタッフで回しているかを観察してみてください。おそらく、最低でもキッチン1人とホール兼ドリンク1人の2人体制以上でやっていることでしょう。

 

つまり、人件費分がこの予測に上乗せされます。この時点でこの売り上げでは足りないので、「席数を多くする」か、「客単価を上げる」か、「回転率を上げる」かの選択が求められます。

 

席数を多くすれば家賃も上がりますし、カフェでは客単価も上げにくいので、回転率を上げるのが無難でしょうか。確かに、平日60%、土日80%の回転率では低く見積もりすぎかもしれません。

 

ただ、なんの計画もなしに回転率をただ上げて計算すればいいというわけでもありません。たとえば、「オフィス街なので、ランチの回転は150%は見込めるだろう」とか「ウェブサイトでの集客に長けているので他店よりも集客力があり、1回転(100%)の回転は見込める」といった根拠となる販売方法がセットで提示されていることは重要ですね。

 

こうしてみると、売り上げ予測と集客方法はセットで提案する必要があることが分かると思います。

 

また、他のパターンとしては、ドリンクやフード以外での何らかの売り上げ予測を持ち込むかです。

 

カフェに雑貨販売スペースがあったり、コーヒー豆の販売スペースがあったりするのはそのためですね。あとは、イベントを定期的に開いてその主催費で稼ぐなんてのもその一つ。

 

このようにして販売内容と販売方法は決定していきます。これである程度の予測の立て方は伝わったのではないでしょうか。計画書ですので、なにより無理のない売り上げ予測と、説得力の高い販売方法を提示することを心がけるとよいかもしれません。

 

事業計画書が作れたら、このあとはいよいよ面談と審査です。頑張ってください!

 

 

よりウケのいい計画書を作るために

他のポイントは比較的書きやすい項目がほとんどだと思うので、最後に計画書の説得力を高めるための方法をご紹介します。

 

実は、事業計画書の提出の際には、事業計画書以外の書類を一緒に提出しても構いません。特に、それが経営をしていくなかで有利になるものであれば、なおさら提出するメリットは大きいでしょう。

 

こうした書類を書くために必要なのが「人脈を作ること」です。

 

ありきたりな言葉ですが、事業をやっていく上で人脈は欠かせない要素です。たとえば、「卸売業者に心当たりがあり、他店よりも安く卸してもらえる(原価率が低くなる)」「賃貸オーナーが知り合いで家賃を融通してくれる(固定費が低い)」などは代表的なもの。

 

あとは、「SNSでの知り合いが多く、拡散力が桁違いに大きい」「その地域出身なので同郷の知人が多く、他店よりも出店に有利」なんてのも面白いかもしれません。カフェだって"事業"ですから、最後にモノを言うのはお金とヒトです。

 

お金の要素はなかなか動かせませんし、それが足りないからこそ銀行や公庫を頼っているのですから、あとはヒトの要素を自分でなんとかする必要があります。

 

そして、それが「経営にプラスである」と判断されるものであれば銀行や公庫もキチンとそれを評価してくれます。カフェ経営は経営を始める前から始まっています。事業計画書を書くとともに、自分が人としてどれだけ魅力的な人間になれるかも磨いていくといいかもしれませんね。

 

経費や売り上げ計算に自信がない方へ

ただ、こうした経費計算や売り上げ計算に自信がない方もいらっしゃるでしょう。

 

そういった方は、融資に強い税理士を頼ってみてください。税理士を通すと、こんなメリットがあります。

 

税理士に頼むメリット

1. 書類提出、面談などの手続きをすべてやってもらえる

2. 創業計画書にムリがないかプロの目で判断してもらえる

3. 公庫や金融機関などの利率が下がることがある

 

一番重要なのが、税理士に頼むと、公庫や金融機関などの利率が下がることがあるということ。

 

もちろん、自己資金の多さや経営状態の見込みなどの数字によって、必ず利率が下がるわけではありませんし、税理士に頼むと、成功報酬で5万円前後の手数料を支払わなければいけませんが、数百万円の融資を受けるなら、利率が0.05%も下がれば5万円の手数料を払っても、むしろ収支はプラス

 

ここまでのことを読んで、「自分で申請するのは難しそう」「融資の計画書を誰かに見てもらいたい」と思うなら、融資に強い税理士を探しましょう

 

なかなか、知り合いにピンポイントで融資に強い税理士はいないかもしれませんが、気になる方は税理士紹介紹介ネットワークのような、無料の問い合わせサイトがあるので、そういったところで融資に強い税理士を紹介してもらうとよいでしょう。

 

公式サイト⇒ 税理士紹介ネットワーク