カフェが開業できない!?賃貸店舗を借りるときには電圧と電流に気を付けよう!

賃貸店舗を借りていよいよカフェ開業!

 

季節は春。新生活の始まるこの季節に合わせてあなたはカフェをオープンしました。

 

事業計画もバッチリ!人員も確保したし、設備も充実しています!資金の不安も半年分の運営費を確保したので、当面はありません。実際、数か月は問題なく運営できていました。

 

ですが、順風満帆に見えたカフェ開業なのに、夏場になると大変!なんと、クーラーを入れるたびにお店の電源が落ちてしまうようになったのです!

 

…と、こんな事例は意外と珍しいことではありません。カフェにとって電気の確保は忘れられがちですが、重要な問題なのです。

 

カフェは電気が命!電気の確認不足で営業できない!?

先日、『カフェ&レストラン』というカフェの専門誌を見ていると、カフェの居ぬき店舗を使ったカフェ開業に関して、面白い事例がありました。

 

 この店の場合、12時~13時には度々ブレーカーが落ちて「パニック状態になってしまう」、「冷暖房も効かずお客からクレームの嵐に見舞われる」ということが相談の内容でした。

 居抜き店舗を借りた時期が3月だったので、冷暖房は確認しなかったそうです。

~中略~

 この店に付いていたブレーカーは40アンペアです。実は最近の傾向として、厨房は電化の時代です。

 照明、厨房の電化製品、吸排気扇、音響などを稼働させるには40アンペアではとても足りません。これではブレーカーが落ちてしまって当然なのです

 カフェ&レストラン 2016年12月号

 

このように、カフェではブレーカーの契約電流量など電気に関する理解はとても大切です。アンペア数が足りない場合、ピークタイムや夏場冬場に全く営業ができない危険性もあります。

 

そこで賃貸物件を借りるときにとても重要な、電圧と電流についての簡単な基礎知識を抑えておきましょう。

 

賃貸を借りるときに気を付ける電気の契約

まず、カフェを開業するために賃貸物件を借りる際、最も気を付けるべきことは「その物件は100ボルトの家庭用電源のみか、200ボルトの業務用電源も来ているのか」という点です。

 

家庭用の器具を使う場合には100ボルトの電源さえあれば十分ですが、業務用のマシンや機器だと、200ボルトの電源しか使えないものも多いので、200ボルトの電源が来ているかどうかはチェック必須です。

 

特に、業務用のエアコンは200ボルトの電源を使うことが多いので、15坪以上の物件を借りようとしている方は絶対に確認しておきましょう。

 

「200ボルトの電気工事をしているかなんて大家か管理会社に聞けば分かるだろう」と思われるかもしれませんが、意外と大家も管理会社も物件のことについて何も知らなかったりします。

 

何件か物件を借りた経験から言っても、今まで200Vの電源が来ているかどうかを判断できる仲介業者は一人もいませんでしたし、大家も自分でその物件を建てたわけではなく、途中で買い取ったものなので現状を全く知らないといった事態もありました。

 

つまり、200Vの電源工事が済んでいるかどうかは借主が自分の目で判断できないといけないわけです。

 

まず一番簡単な見分け方は、分電盤のブレーカーを開いてみて3本の線が入っているかどうかをチェックすることです。

 

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http://www.energia-support.com/ecocute/kouji.html

 

あとは、電力量計が2つあったりと、200ボルトの電源が来ているかどうかはパッと見でチェックできるかと思います。

 

もしも、この時点で確認できなかった場合

200ボルトの電源が確認できなかったとしても、電力会社に連絡すれば工事をして使用可能にすることができます。ただし、その分の時間も手間もかかりますし、事前にチェックしておいたほうが無難です。

また、築年数が40年以上などあまりにも古いと、工事にも時間がかかったりするので、「よく分からない」「頼れる業者の知り合いがいない」という人は、最初から200ボルトの電源が来ている物件を選んだほうがいいかもしれません。

 

どのぐらいの家電を一斉に使えるのか?

そして次に重要なのが契約アンペア数です。契約アンペアに関しては、東京電力の説明がわかりやすいので見てみましょう。

 

ご契約アンペアの大きさは、同時に使用できる電気の量を表しています。
同時にどれだけの電気機器をご使用になるかが、ご契約アンペアを選ぶ際のポイントです。
1年を通じてもっとも電気をご使用になるとき(同時に多くの電気機器を使う夕食時、冷房機器を使う夏、複数の暖房機器を使う冬など)を想定してお考えください。

 

一番重要なのは「もっとも電気を使用するとき」をもとに契約アンペア数を想定しなければいけないということです。 参考までに東京電力が、家庭用の家電でどのぐらいのアンペアを契約すればいいのかの目安を出していますので、それを見てみましょう。

 

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テレビはお店で付けないにしても、普通にカフェや喫茶店でも使いそうな家庭用家電だけでMAX40アンペアなんてすぐに超えてしまうことが分かります。テレビを抜いたとしても、エスプレッソマシン(10A~)や電気ケトル(8A~)を使えば、一般的に契約できる上限の60アンペアでもギリギリだと言うことがわかるでしょう。

 

Point!

ただし、すべての家電をフルパワーで同時に使うなんて状況はそうありません。営業中に炊飯ジャーを使うにしても保温状態でしょうし、エアコンを使うにしてもお客さんがいる状況で最大パワーで回すことはそうありません。

実際は、小さなカフェであれば多少不測の事態があっても、60アンペアの契約でブレーカーが落ちることはそうないと思います。

 

ただ、使用するアンペア数は消費電力(ワット)だけでは決まりません。契約しているボルト数もかかわってきます。

 

2000ワット(W)の消費電力のマシンを100ボルト(V)で使用した場合、使用するアンペア(A)は20アンペアですが、200ボルトの電源を使った場合には10アンペアとなります。

 

たとえば、以下の業務用エスプレッソマシンは200ボルトと100ボルトの両方を選べるマシンですが、完全な業務用のマシンでもなければ、エアコンなども100/200ボルトをそれぞれ選べるものもあります。あまり使える電流量に余裕がないのであれば、200ボルトのマシンに切り替えるのも手です。

 

特に注意すべきはカフェや喫茶店の居ぬき物件

賃貸物件を借りる際に、特に注意が必要なのがカフェや喫茶店の居ぬき物件です。昔ながらの喫茶店は電気を使う設備が少なく、契約してあるアンペア数も40アンペアしかないといったことも普通にあり得ます。

 

たとえば、エアコンと照明、音響機器、冷蔵庫ぐらいはどこの喫茶店にもありますが、ガスコンロでお湯を沸かし、それをそのままドリップしていたような喫茶店だと、電源設備に力を入れていないことは簡単に想像がつくでしょう。

 

こういった居ぬき物件に、エスプレッソマシンを持ち込んだり、電気ケトルを持ち込んだりとしていると、あっという間に制限以上の電力を使ってしまいます

 

あと、最近のカフェではUCCが運営するロイヤルシェフなどのサイトのように、冷凍食品のクオリティが高くなり、だれでも業務用冷凍食品を買えるようになったため、カフェでも冷凍食品を使うことが増えました。

 

食材から調理していた昔ながらの喫茶店とは違い、最近ではコストを抑えるため、また安定したパフォーマンスのため、冷凍食品を使うお店が増えており、それに伴い電子レンジなどの家電製品を使う機会も増えているのです。

 

「同じカフェ(あるいは喫茶店)だから、そのまま営業できる!」と気軽に考えずに、居ぬき物件を利用する際には、必ずその物件が「200ボルトのバッテリーがあるか」「契約アンペア数は何アンペアか」をチェックしましょう。

 

改めてになりますが、物件によっては、大家さんや不動産屋もきちんと把握していないこともあるので、きちんと自分の目でチェックすることが大事です。